共済は若い人には割高になると言われる理由を解説!
みなさんは「共済」をご存知ですか? 「都民共済」や「県民共済」などでおなじみのことばですよね。
しかし、その「意味やしくみ」を問われると、ハッキリとは答えられない方が多いんではないでしょうか? また「保険は高いから共済に加入している」という方、それに該当しない方もおられることをご存知でしょうか?
知っているようで、案外実態が把握できていない共済について、その意味やしくみ、メリットから、デメリットまで。デメリットでは、とくに「保険でなく共済を選択するとソンしてしまう方」について、本コラムではくわしくご説明したいと思います。
生命保険と共済はどう違うか?
まず、生命保険と共済の違いを把握しましょう。生命保険はおわかりだと思うので、ここではまず共済中心にご説明します。
<共済とは? >
「相互に助け合う」「お互いにお金を出し合うことで成立する」という意味のことばです。生協、JA(農協)、JF(漁協)そのほか、中小企業の経営者や従業員が加入する小規模企業共済・中小企業退職金共済、共済年金などがあります。
わたしたちの生活の中で起こりやすいリスクに対し、組合員があらかじめ一定の「共済掛金」を支払って協同の財産をつくり、不測のリスクが生じたときには「共済金」を支払うことにで、組合員やその家族の経済的な損失を補填し、生活の破綻を回避する助け合いの保障をすることが共済です。
<4大共済とは? >
全国規模で展開する「都道府県民共済」「全労済」「CO・OP共済」「JA共済」を指します。
<共済と生命保険の違いとは? >
制度上の違いとしては根拠法令、監督官庁が違います。
・生命保険会社
根拠法令法:保険業法 監督官庁:金融庁
・共済
都道府県民共済、全労済、CO・OP共済
根拠法令法:消費生活協同組合法 監督官庁:厚生労働省
・JA共済
根拠法令法:農業協同組合法 監督官庁:農林水産省
以上が生命保険と共済のおもな違いです。ご理解いただけましたでしょうか?
共済のメリットとは?
まずは一般的な生命保険に比較して、共済のメリットについて、ご説明します。
■掛け金が安い
共済は大規模な広告や営業社員を雇用して営業をしないため、経費があまりかかっていません。保障の構成もシンプルなので、掛け金が安いです。
■「割戻金」でさらに割安
年間の運用で生じた余剰金は「割戻金」として返金されますので、掛金は実質的にはさらに割安となります。
■健康確認が厳格ではない
健康確認も厳格ではなく、申込書の郵送だけで加入が可能です。
■高齢者にはとくに割安
年齢や性別によって掛金が変わらないため、高齢者にはとくに割安です。
若い人、女性、健康な人には共済は割高になる
では一般的な生命保険に比較して、デメリットは何でしょうか? 以下をご確認ください。
■保障が少額
最高でも死亡保障が800万円である上、65歳になると200万円に減ってしまうため、保障としては非常に少額です。
■掛け捨て商品のみ
保障が期間限定になる掛け捨て商品のみであるため、保障がもっとも必要になる高齢期に保障がなくなるかもしれません。
■県民共済はパッケージ商品のみ
県民共済はパッケージ商品のみなので、自由に組み合わせることができず、死亡保障だけ加入するということは不可能です。
■セーフティネットがない
生命保険には生命保険契約者保護機構によるセーフティネットがあります(責任準備金の90%までが保障可能)。しかし、共済にはセーフティネットがなく、万が一経営危機になったら保障は破綻。保険金が受給不可能になるリスクがあります。
■健康でも掛金は安くはならない
健康確認が厳格ではないため、生命保険なら健康診断結果が良いと安くなる掛金が安くならないです。
■若い人、女性には割高
「高齢者にはとくに割安」なのは、年齢や性別によって掛金が変わらないためでしたね。ですから逆に生命保険なら掛け金が安くなるはずの若者や女性には割高です。
まとめ
共済の意味やしくみ、生命保険との違い、メリット・デメリット、そして年齢や性別によって掛金が変わらないため、高齢者には割安でも、若い人、女性、健康な人には割高になるということについて、ご説明させていただきました。
生保と共済では根拠法令法や監督官庁なども違っていること、そもそも共済は組合員にならなければならないというところも大きな違いですよね。そして「共済のほうが安い」というのも、年齢や性別によって違ってくるというところは、しっかりと押さえた上で、どちらに加入するか、またはどちらも加入するなどを考えるようにしましょう。