【空白期間はヤバイ】生命保険を解約する際の注意点とは?
自身のライフイベントに合わせて「生命保険の見直し」はとても大切。でも、いま加入している保険を解約して、別の保険に乗り換える場合、注意が必要です。
ここでは加入中の保険を解約するにあたってすべきこと、避けるべきこと、そして解約しないほうが良い場合など「保険の上手な解約・乗り換えのしかた」についてご紹介します。
保険を解約する前にチェックすべきこと
生命保険商品は時流に合わせて、つねに新しい商品が開発されるもの。たとえば医療の進歩のおかげで入院が短期化したため、その後の通院期間が長くなる傾向に対応して、通院にも給付金を保証する医療保険が人気を集めています。
また、自身が結婚するなどライフイベントによる変化で、現在加入している保険では対応しきれない部分が出てくることもあるでしょう。こうしたケースを考えると、保険の見直しは大切ですね。
しかし、いま加入している生保を解約して、新しい保険に乗り換えるとなると、その前にチェックしてほしいことがあります。どんなことがあるか見ていきましょう。
■現在の年齢や健康状態を考慮する
現在の生命保険に加入したときは若かった、あるいは健康だったということはありませんか? 通常、生命保険は加齢するほど保険料が上がります。また、健康状態が悪くなっていると新しい保険に入れないかもしれませんので、よく考えましょう。
■解約返戻金の確認
現在加入している保険を解約するとき、戻ってくるお金を「解約返戻金」と言います。一般的に定期保険の場合はほとんど戻りません。
終身保険の場合、貯蓄性があるため、それなりの解約返戻金が期待できますが、解約や乗り換えのタイミング次第で低額となってしまいます。現在加入している保険が定期保険か終身保険か? 終身保険なら解約時の解約返戻金がいくらになるかを生命保険会社に確認したほうが良いでしょう。
■予定利率の確認
予定利率は保険料を設定する上で基本となるもののひとつ。生命保険の契約者から集めたお金は積み立てられる、もしくは運用されます。運用から生じる利益を前もって予測し、一定の利率で保険料から割り引くとき、計算に使う利率のことです。
予定利率が高いと、それだけ運用から得られる収益が大きくなります。したがって割引率が高くなり、保険料が安くなるんです。保険料が同額の保険なら、予定利率の高いものは低いものに比べて解約返戻金が高くなります。
1981年4月~1990年3月の標準利率は20年超 5.5%、10年~20年 6%、10年以内 6.25%となっているのに対し、2017年4月~はわずか0.25%に下落していますので(※)予定利率の高い保険に加入している場合、解約しないほうがおトクです。
※→https://www.jkri.or.jp/PDF/2012/Rep125inoguchi.pdf
※→https://www.hrsnet.jp/doc/news20170408.pdf
空白期間をつくってはならない
生命保険を乗り換えるとき、現在加入している生保を解約する前に「現在の年齢や健康状態を考慮すること」「解約返戻金と予定利率を確認すること」が大切とご説明させていただきました。もうひとつ、乗り換え上、重要なポイントがあります。
それは「生保の空白期間=無保険状態をつくらない」こと。乗り換えるとき、保障が途切れないように気を付けることです。
申し込み→診査→保険料の払い込みの流れが完了して、ようやく保険契約は成立となります。どこかが滞れば、そこで空白期間=無保険状態です。
無保険状態のときは、何か困った状態に陥っても何の保証もないことになります。生保の乗り換えでは、いま加入している保険の解約より、必ず新しく加入する保険の契約を優先させるべきでしょう。
専門的な知識を有するひとに相談してみよう
いま加入している保険を解約して、別の保険に乗り換える以外にも、生命保険の見直し方法はあります。生保会社を変更するつもりがなければ、いま加入している保険会社の担当者、もしくはコールセンターに電話して相談してみましょう。
また「現在契約中の生保会社以外からも候補をさがして、乗り換えたい」ということであれば、現在の生保に解約前に必要な確認を取った上で、契約内容がわかる書面を持参して、特定の生保会社のカラーのない、取り扱いの多い保険ショップを訪ねて相談してみてください。契約中の保険のメリットのほうが高ければ、良心的で公平性の高い保険ショップであれば、乗り換えはおすすめされないでしょう。
上記以外では、特定の生保会社に属していないFPに相談するのも良いですね。とにかく、保険の見直しを考えて、自分で調べるのは良いことではありますが、付け焼刃では見落としも考えられますので、専門的な知識を有するひとに相談するのがいちばんです。
まとめ
いま加入している保険を解約して、別の保険に乗り換える場合のご注意ポイントをメインにご紹介しましたが、いかがでしたか? 解約前の確認事項に加えて、空白期間をつくらないことが重要ということでした。
最終的には担当者、もしくは専門家に相談することがベストだと思います。解約した生保は元には戻せないということを肝に銘じて、みなさんにも慎重な判断をしていただきたいところですね。